二川和之 〈 秒差三態〉


作品解説
日本画には、四季を、同一画面に描いて一年の移り変わりを描いたり、絵巻物でも物語の展開を表現したりと、時間を表現する伝統がある。裸婦の数秒ごとのポーズを同一画面に描き、時間の流れを表現しようと試みた。また、日本画には、描かずして表現する伝統がある。丸山応挙の雪松図では、背景は金泥を、松は墨で描き、描き残した紙の地で雪を表現した。浮世絵では版を重ねるも肌は紙の地である。この伝統を継承すべく、裸婦の肌は陰にのみ墨を注した。
作品詳細
- 制作年
- 2017
- サイズ
- 145×112
- 使用画材
- 高知麻紙、墨、プラチナ箔、黒箔