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DOJIMA RIVER AWARDS

坪口晄弋 〈 i porn -LOVE-〉

作品解説

写真は芸術である。写真は複製である。写真は記録である。写真はメディアである。こうしたカビの生えたような議論を此処でするつもりはない。写真は「写真」であり、一つの行為に過ぎない。「写真」はあくまで目と指の、換言すれば視覚と触覚の連動の痕跡である。絵画や彫刻などの所謂、芸術表現と大きく異なるのはその連動性の速さにある。これは我々の知覚と口腔による連動、つまりは 言語活動に近い。この連動性速度は絵画や彫刻の比では無い。芸術と呼ばれるモノの多くは、作家の身体的連動性の蓄積やそこに垣間見える技術者としての技量や知性のプロフィールが凝固されたモノを指す。デジタルカメラなる玩具が誕生し、カメラ及び通話機能付きカメラの進化によって、写真が専門知識を必要とする技術者の時代は過ぎ、以前にも増して連動性と密接な関係となり、行為としての「写真」を加速させている。それにより「写真」は原理原則に則った芸術や意図した情報補完としてのメディアというよりも寧ろ、誰もが有する制約なき自己言語となった。これは完全な「写真」の解放を意味し、従来の専門的な「写真」の消滅を意味する。写真が誕生した頃、絵画がそうであったように、技術者達からすれば写真においてもドラロッシュと同じ嘆きが聞こえてきそうだが、「写真」は、厳密には「写真機」の発展は、視覚と触覚の連動性の追求がもたらしたものである。常に持ち歩き、軽量で、その場でその瞬間、その状況、匂い、雰囲気まで瞬発的に捕えることのできる通話機能付きカメラは最高の連動性に富んだカメラなのである。さて、今日も何処かで愛しの女(ひとと・・・。

作品詳細
制作年
2015
サイズ
74×125
使用画材
インクジェットプリント