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DOJIMA RIVER AWARDS

-日本画-

特別賞 フクシマサトミ〈ここがどこなのか、どうでもいいこと 2〉

審査コメント

様々な要素に富んでおり、楽しんで観つづけることができる作品である。画材と描法の技を様々に冒険しているという点、平面と奥行きの組合わせが画面のすみずみまで複雑な点が評価できる。描画法ではにじみやぼかしなど、数多くの挑戦があり、構成には遠近法や透視図法など、いろいろな重なりが潜んでいる。大胆でデザイン性があり、日本画の中の装飾性の展開のひとつとして、“情緒的抽象表現装飾”とでも言えるかもしれない。一方、構造的には画面の秩序がなく、混沌としており、調和がないとも言える。作者の現在の頭の中が本当にそうなのであろうが、それを素直に出すということによってある説得力を持つということは、絵画という芸術が有する力なのかもしれない。人間の精神が持っている神秘や、手に負えない自我のようなものが絵になってしまうということが、絵の持つ良さであり怖さでもある。今後もどんどんと技法を突き詰めて磨き、それを自分の世界を形あるものにする手立てにしていってほしい。

作品解説

本当に必要な答えは、外ではなく自分の中にあるのだとすれば、何を描くべきかという答えも自分の中にあるのではないか。そこで私は何を描くのかを決めずその場で思い浮かんだ断片的な色や形だけを画面に描きこんでいった。それで出来上がったこれが何なのかはわからない。だがこの風景の様なものが私の中に存在していた事のみ、私にとって重要なのであり、これが何なのか、はたまたここがどこなのかなど、どうでもいい事なのである。

作品詳細
制作年
2016
サイズ
183×370
使用画材
木製パネル、雲肌麻紙、染料、水干、墨